HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-52
(蒲公英は、真っ暗な、お化け屋敷の中で。 ぷるぷると震えながら、前方に現れた
巨大な、獣の様な黒い生き物を指さした。)
『!』
「お化けじゃね〜っ! “闇”だっ。」
「善のやつっ、どこ行きやがった!」
(数馬は、背中に温かさを感じ。 振り向いた。 蒲公英は背中にはり付き。
泣きだした。)
「うわ〜んっ!///」
「ん・・っ。」
(その泣き顔は、数馬の心を揺さぶった。)
「OK. いいぜ。 やってやろうじゃねーかっ!」
「蒲公英。 見てて。 おっきな、ねんど工作つくるな。」
(数馬は、にっと笑うと。 墓場のディスプレイの地面に、手をついた。)
ボコッ ボコボコッ
ゴワッ・・!
(地面から、めきめきと。 巨大な2つの長い耳が、現れた。)
「!///」
(蒲公英の目は、大きな涙の粒をこぼしながら、驚き。 見開いた。)
「わぁっ!///」
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