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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-54


(赤紫の魔法陣が、かわいらしい小さな指先から、くるくると回転し。
輝いた。)

ブブンッ・・

(火花は、煌めきながら。 理恵の、頭上に揺れる。 大輪の赤い花を映し。
黒いリボンをはためかせた。)

「お嬢さん〜・・v 遊びましょ〜♪」

コオッ

「はっ。」

(艶は、異変に気づき。 すばやく頭上を見た。)

《闇の力を秘めし鍵》

《解き放て》

《水の檻》

ゴワッ

ドンッ・・!

(輝いた魔法陣からは、大量の水かあふれ出し。 息をすることが出来ない洪水の様に、
艶の目の前に流れ出た。)

バシャッ・・! バシャバシャッ ザバーンッ・・

「きゃぁっ!」

ビシャシャッ

(だが、水流は弾かれ。 艶の立つ場所を避け、辺りに流れ散った。)



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