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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-8


「数馬と競争だろう?」

(紺色の瞳がにっと笑い、夏樹が普段そばにいないことで。 しょ気ていた。
数馬の心に、温かな火を灯した。)

『!///』

「おお〜っ! よっし!/// オレっ負けね〜っ!」

「紫苑お姉ちゃん何匹もってる?」

「1、2、3・・。 負けね〜ぜっ!」

「夏っちゃんお師匠さまっ! オレは勝〜つ。 金魚もっ、

世界もっ、すくってみせるぜ〜いっ///」

「やぁっ!///」

(数馬は、気合いを入れて、力強く水面をねらった。 驚いた金魚は皆逃げ。
散り散りに、水の中を。 赤い色彩が跳ねた。)

「きゃぁっ///」

「数馬くんっ、金魚さんにげた〜;;」

(水しぶきを浴び、蒲公英が目をつむった。 追いついてきた桜が、ハンカチを取り出し、
蒲公英の顔を拭いた。)

「うふふっ。 あら、まぁ。」

***

「春人さん。 何か食べる?」

「別に。」



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