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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-12


「たいそうな看板、掲げてんじゃねーっつーの!」

「あいつはあいつで。

真剣に自分と向き合って、闇を抱え込んでる。」

「何があっても・・!」

「俺らが。 連れ戻すぞ。」

(水色の瞳は、強く煌めき。 夜空に煌々と浮かび上がる、
銀色に輝く満月に。 誓った。)

「///! うんっ!///」

***

(生命科学研究所内は、混乱を迎えていた。 研究所の本棟は、閉鎖されていたが。
ガラス張りの、円柱状の建物の中心からは。 絶え間なく、激しい音と。
光が、まるで、レーザーのように外部に向かって照射され。 その度に、
地響きが、辺りを包んだ。)

バリバリバリバリッ ズズーンッ・・!

(揺れる足元にふらつきながら、白衣を着た研究員たちは、
散り散りにその場から退避し。 持てるだけの、書類やデータを抱えては。
時折、芝生の地面に倒れ。 白い紙が、辺りに舞った。)

「菖蒲さん・・っ! 待って下さい〜っ!///」

「いくら、菖蒲さんでもっ・・! 真紀はっ; 真紀はっ/// 許可できませんっ!」

(研究所助手の真紀は、半泣きになりながら。 自らが出会ったこともない、
恐ろしい現象の中で。 研究所に向かう菖蒲を、なんとか引き止めようとしていた。)



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