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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-13


「離してくださいっ!」

(菖蒲は、思い切り、真紀の腕を振り払った。
以前出会ったときの、優しい笑顔は。 そこになく。 四角い黒縁眼鏡の奥の瞳は、
厳しい表情を浮かべ。 真紀を睨んだ。)

「///! 菖蒲さん・・っ。」

「ここにいたらっ、危険だからっ・・; だからっ、わたしたちはっ・・。」

(真紀は口ごもり、菖蒲は問い詰めた。)

「だから、逃げるというのですか・・? 夏樹様を置いて。」

「研究所に、夏樹様を連れて行ったのですか?」

「発信機にも。 夏樹様の居場所が出ない。 一体どこへ・・!」

(真紀は、恐ろしさに後ずさった。)

「知りませんっ/// 真紀は、助手ですからっ///;」

「本当に知らないんですっ! でも・・っ、彩先生のおっしゃることは、

正しかった・・!」

(その言葉に、菖蒲の瞳は怒りに見開いた。)

「何ですって・・?」

(研究所からほとばしる光は、不気味に夜空を照らし、円柱状の特殊な強化ガラスの
建物自体を揺すり、爆風のような振動を辺りに放ち。 真紀を震えあがらせた。)

「夏樹さんは・・危険ですっ。」

「・・っ、こういうことが起こるかもしれないって・・。」



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