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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-16


「///・・、だって菖蒲さん・・っ///」

「生きているんですよ・・。」

「“時の欠片”たちは・・っ、生きているんです・・っ!」

***

パチパチッ パチパチッ

(仄暗い。 官邸の地下、本会議場の中で。 骨ばんだ両手が、
ゆっくりと、大きく。 拍手し。 乾いた空気の中へ、高らかに音を響かせた。)

「見事だ。 実に見事だ。」

「なぁ、彩・・。」

「君は優秀だ。」

「ひいては、FOTを、国の認定機関とし。

並々ならぬ力を注いできた。 我々国家と・・、

そこにおられる。

司令官殿のお力添え。」

「深く深く。 この石垣、

感謝申し上げねば、なるまい。」

(光のない、石垣の。 底知れぬ黒い瞳が。 広い場内で、たった一人だけの
客人に向かい。 深々と頭を下げ。)

(まるで、狂喜を抑えきれずに。 その口元は、引きつる笑みで。 震えるほどだった。)



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