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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-19


怖気づいて、途中でやめたのかと思ったよ。」

「前にも言ったけどね。 ここが、シェルターか何かで。

この薄暗い中に居れば、安全だと思っているようだけれど。」

「この程度のシールドでは、あの子の力の暴発を。 防ぎ切れる、

レベルではないよ。」

「石垣。 先代ならば、理解したであろう。 何しろ、

都市を一つ。 破壊したのだから。」

(聞いて、石垣の表情は凍りついた。)

「・・だまれ。」

(聖の、黄金色の瞳が。 満面の笑みに煌めいた。)

「くっくっくっ。 これはこれは失礼・・。」

「そのことは、極秘事項だった。 先代の立ちあげた、

国家一大プロジェクトが。 たった一人の子供によって破たんするとは。」

「数々の犠牲に、この僕も

お悔み申し上げねば、なるまい。」

(聖は、先程の石垣を真似。 わざと深々と、頭を下げながら。
にやりと笑った。)

「貴様がっ・・!」



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