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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-20


「貴様がっ・・、研究所から、“リュウジュ”を奪い!」

「死に至らしめたからではないかっ・・!」

「僕が・・?」

(金色の瞳が、にやりと目を細めた。)

「お前たちの様な、欲深い者たちが。 神の力を持つ彼女を・・。」

「捕らえ閉じ込めた。」

「“命無きものを、蘇らせる力” 蘇生。 天より舞い降りた、まさに神の力だ・・。」

「その力を、我が物にしようとした時。 もう罪は、はじまっていた。」

(彩は、その視線に負けぬ様。 自身の手に力を込めた。)

(能力者の力を遮断する。 黒い壁と巨大な黒い柱に覆われたその場所にあっても、
聖の力は、びりびりと辺りを振動させ。 彩は、弱気を見せまいと、聖を睨んだ。)

「“時の欠片”は、彼女が残した。」

「この地上の救いの神か・・?」

「いや・・。 彼女はその罰に・・。」

「この地上に“闇”をもたらした・・。」

「そうだろう・・?」

(聖は微笑み、遠く。 記憶のかなたへ想いを馳せ。 銀の髪を揺らし、
黄金色に輝く瞳で。 黒い天井を見上げた。)

***



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