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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-25


(紫苑の胸に、熱く、温かなものが込み上げた。)

「行こう。 夜が明ける前に、決着つけようぜ。」

(ソラが、上空から2階の窓先へ。 大きな手を、紫苑に差し出した。)

(水色の瞳は笑顔に輝き、紫苑の心を安心させた。
ミイとピュアの笑顔に頷き。)

(紫苑は、ソラの手を取り。 星の輝く夜空へ。 スカートを揺らし、1歩
舞い上がった。)

「うん!///」

「《闇の力を秘めし鍵》《解き放て》《次元の翼》・・!」

(たちまち魔法が、足元を包み込んだ。 輝く赤い羽根が舞い飛び、
4人の背中に宿った赤い翼が、一瞬輝いたと思うと。)

(次の瞬間には、上空から。 皆の姿は消えていた。)

キラキラキラ・・

(勢い良く閉じた空間通路から。 こぼれた一枚の赤い羽根が、
きらきらと舞い。 星屑の夜空に、煌めきを残し消えた。)

***

(金の瞳が見上げる頭上は。 ただ黒く重い石の天井が続くだけで。 それは、
不思議な重力を持ち。 聖の上に、圧し掛かった。)

『国が、隠し続けている“秘密”。 “Fragment of Time Project”それは、』

『国が一人の少女を保護したことから始まった・・。』

(遠い記憶の欠片が、暗い天井から、聖のもとに舞い降りてきた。)



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