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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-26


『彼女がどこから来たのか。 誰なのか、知るものはいなかったが。』

『その力は、まさに“奇跡”。』

『死した動植物を、彼女は。 国の連中の目の前で、蘇らせた。』

『そんな力を放っておくはずがない。 連中は、彼女が・・

“時の欠片”となった今でも。』

『放すまいと、手を伸ばす。』

(金色の瞳は、ゆっくりと目を細め。 瞼を閉じた。)

『この世に初めて、“闇”が生まれたあの日。』

『幼い夏樹が力を暴発させたのは・・。 彼女の消滅と同時に発生した、

巨大な“闇”に出会ったからだった・・。』

(聖は、重い口を開いた。)

「闇の罰は・・、僕が受けるべきだった・・。」

(その両肩に、流れる銀髪が、美しく揺れる。)

『黒い波、“闇”は、夏樹と母親を飲み込み。 そして。 暴発した夏樹の力と重なり。』

『不運にも、甚大な被害をもたらした。』

『私利私欲のための国家プロジェクト。 粒樹を中枢に据え、開発された。

幼い子供達を集めた能力者研究施設とともに、

一つの都市を消し去ったのだ・・。』



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