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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-33


「紫苑は、夏樹の許可をもらってるから。 きっと大丈夫。」

「けど、俺らはそうはいかねー。 ミイ、ついて来いよ。」

(水色の瞳は輝き。 ミイは力強く頷いた。)

「うん!」

(ソラは、鋭い視線を、菖蒲の向かう先へ向けた。)

『菖蒲・・、どこへ向かってるんだ・・?』

(ガラスの壁の向こう、遠く浮かぶ。 異空間の中で、進む菖蒲の足は。 迷い無く。
強く、ソラたちが普段見たこともない豪華絢爛な、建物の中へと。 入って行った。)

「あれが、FOTの本部か・・? いや、違うな。」

「前にテレビで見た事ある・・。」

「首相官邸だぜ・・っ。」

「さすがに、国家公認ってのは、こういうことか。」

「おれら国民が知らなくても、国の連中は知ってる。」

「闇のことも。 時の欠片も。」

「夏樹のことも。」

(ソラは勢い良く、背中の赤い羽根を羽ばたかせ。 ガラスの壁の向こうへ。
まるで、水面を泳ぐように。 水しぶきを上げ、飛びだして行った。)

バシャーンッ・・!

***



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