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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-42


(闇夜の中に、浮かび上がる。 建物の中に、人のいる気配はない。
地面を揺らすほどの、音と光を発する。 その場から、研究所員は逃げ出し、
誰もいなかった。)

(紫苑が恐れず、そこに立っていられたのは。 魔力が、紫苑を
動かしていたからだった。)

「紫苑さま〜っ!///」

(紫苑が一歩踏み出そうとしたとき。 上空から呼ぶ声に、はっと瞬き。
紫苑は、振り返った。)

「ピュアちゃん。」

フワッ・・

(ピュアは舞い降り、紫苑の両腕を取ると。 正面からその瞳を見た。)

「大丈夫でっすか?/// しっかりv ミイさまが、菖蒲さまを見つけました。」

「夏樹さまを、見つけましょう!」

(ピュアに呼び掛けられ。 ぼんやりとした紫苑の瞳は、ぱっと明るさを取り戻した。
ピュアは、紫苑の瞳に、不思議な黒い影を見た気がした。)

「・・うん。 この奥だと思う。」

(紫苑はうなずき、向かっていた足先を。 変え、研究所の奥深くへ続く、
地下へと足を向けた。)

【くすくすくすっ。 邪魔が・・、入りました・・ねぇ。】

【良いでしょう・・。 果たして今のあいつに、触れることができるものか・・。】

***



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