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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-48


「ここで。 何をされているのですか?」

「私には、信じられない。」

(菖蒲は、聖を見て。 僅かに首を振りながら、机上の書類と、
それに向きあう。 彩と、石垣を見た。)

「邪魔だ。 つまみ出せ。」

(石垣は、禁じられた、この場所に。 訪れたことを怒ることも、
面倒な様子で。 片手で、追いやる仕草をした。)

(だが、後ろに控える執事達は、菖蒲に手を出さず。 扱いに困る様子で、
互いに顔を見合わせていた。)

「主を解放せねば、機密をばらすと。 申しております。」

(後ろから、橘が、丁寧に解説した。)

「何っ!?」

(石垣は、面食らい瞬き。 聖は、満面の笑みで微笑んだ。)

「・・菖蒲。」

「どうした?

お前らしくない。 こんな無茶をするやつじゃないだろう。」

(橘もまた、聖と同じく穏やかに微笑み。 菖蒲にはまるで、できもしない事を。
笑われたようだった。)

「こんな所にはいられない。

夏樹様を連れて、出ます。」



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