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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter93 『覚悟』 93-54
飛びそうになる意識を保とうと、腕に力を込め。 切っ先を、ガラスの壁に
突き立てた。)
パキッ・・! バリバリバリバリッ・・!
ガシャーンッ・・
(ソラを包んでいたガラスの壁は、ひび割れ砕け散り。 ソラをやっと解放した。)
「(ごほっ・・ごほっ・・) しぬ・・;」
(ソラはむせ返りながら、なんとか辿りついた。 異空間のガラスの床の上で、
重い体を起こした。 砕けたガラスの破片が、鮮やかな水色の髪の上にこぼれる。)
パキッ・・パララッ
「はぁっ。 収まったのか・・?」
(水色の瞳を歪め、辺りを見た。)
パキッ・・
(静かになったと思った瞬間、ソラは背中に痛みを感じた。)
ガッ
「うっ・・!」
(床に伏していたソラの身体は持ち上げられた。 背中に纏った、ソラの
赤い羽根を。 何者かがつかんで引き起こした。)
「ああっ。」
「その言葉・・。 お前に返そう。 あいにく、僕には。
この赤い翼しか見えないようだ。 そうだな。 証拠に、もらっていこうか。」
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