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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter93 『覚悟』 93-59
コオーッ チリリッ・・
(夏樹の胸元に、小さな銀の指輪がゆれ。 紫苑はそっと、目を細めた。
氷の様に冷たく、眠る。 夏樹の顔を風が優しくなで。 その表情は、穏やかだった。)
「みなさま〜っv 到着しますですよ〜v」
ゴッ・・ ゴォォォーッ
ブブンッ
バッ・・ ドサッ・・!
***
「ん・・っ。」
(ソラの身体は、さらさらする。 白い砂の上に、
投げ出された。)
ザザーンッ・・ ザザーンッ・・
(聞こえてくる波音は。 風見市の海だ。 生まれ故郷と違うと知った今でも、
長年暮らし、馴染んだ。 まるで故郷のような、その街に戻ったとわかった。)
「・・・。 いて・・。」
(大の字に、仰向けに砂浜に身をあずけながら。
ソラは、波しぶきと。 背中と腕にあたる。 心地良い砂の手触りを確かめた。
すっかり、昇った太陽が。 朝の海を青く照らし。)
(水色の瞳が見上げる頭上に。 高い青空を映していた。)
「痛・・っ。」
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