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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-60


「・・冗談じゃねえ・・。」

「・・っ、たく・・。 なんだって、いうんだよ。」

(ソラは、どこに向けたらいいのかわからず。 込み上げる想いをこらえようと。
両腕で、顔をおおった。)

「くそっ・・。 ・・言う通りじゃねーか。」

(ソラは、両腕でぎゅっと顔を覆ったまま。 何かをこらえるように
口を強く結んだ。)

「ソラ。 また、魔法失敗しちゃったね。」

「きっと。 みんなはピュアちゃんと一緒に。 無事に、桜ヶ丘に戻ってるよ。」

(砂浜に、横たわったソラの前に。 太陽を背負ったミイが、上から笑顔で、
覗き込んだ。)

「ソラ?」

(太陽と、青空が眩しくて。 目を開けていられず。 逆光で微笑むミイの顔も、
良く見えずに。 砂の上に、横たわる背中の。 魔力を受けた、傷の痛みと共に
湧き上がる想いに。 ソラは、腕で、まだ顔を覆いかくしていた。)

「・・・。」

「わかった。」

「確かに、婆の言う通り。」

「壊すのは、難しい。」

(ソラは歯ぎしりし。 簡単に、解くことを許されない。
母国への呪いに怒りを覚えた。)

「鍵の在り処を見つけた。」



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