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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-7


「今、剛と晃が出ている。」

「俺たちも、指定のポイントに、向かう様に指示が出ている。」

(光は、怒りを覚え、苛立ちながら説明した。)

「あいつらは、寄ってたかって夏樹を調べたんだよ。」

「弱って担ぎ込まれたのを良いことに・・。 静乃も止められなかった。」

「彩は、そのチャンスをねらっていたんだ。」

「遊び半分で夏樹をかまったものだから。 能力が暴発する可能性が、

あるんだと。」

(光は、手元に。 握っていた、幾枚かの紙を音を立て握りつぶした。)

「・・、それで。 夏樹さんは・・?」

(案ずる葵の瞳に、光は力なく答えた。)

「意識は戻っていない。 あいつらの、頭にあるのはっ。

“時の欠片”と“闇”のことばかりだ・・!」

「どうして最初に・・っ、あいつを楽にしてやることを考えない・・?」

(光の言葉を聞き。 なぜか葵の脳裏に。 先程、風見市の異空間の中で出会った。
夜の海に響く。 男性の声が、こだましていた。)

【“死”とは、それほど。 恐ろしいものか・・?】

【くっくっくっ。】

【誰も・・、逃れることの出来ない。 時の呪縛から、解放してくれる・・。】



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