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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter93 『覚悟』 93-8
【さぞ、心地良かろう・・。】
「調べようと調べなかろうと。 あいつは自分でわかっているよ。」
「力を使えば、自分を削ることになることくらい。」
「それでも、自分の役目だと。 あいつは疑わない・・っ!」
「本当に・・、馬鹿な奴だ。」
「街に出て、うかれて。 無理をして。」
「葵、俺たちは、普通の人間にはなれない・・。」
「誰か、あの馬鹿に。 そう・・、教えてやってくれ。」
(光はそう言いながら。 手にしていた、くしゃくしゃの書類を、
床に投げ捨てた。)
「読みたければ、読んで・・。」
「研究所の報告と。 国からの指示書だ。」
「“欠片”と“夏樹”について。 信じられないことが、書いてある。」
(光はそう言って、その場にしゃがみこんだ。
とても解決できない事実を前に。 光は頭をかかえ。
淡い光の様な、薄い黄味がかった短い髪を、乱暴に掻きあげた。)
パサッ・・
(葵は、静かに。 しわくちゃの書面を美しい指先で伸ばし、
1枚拾い上げた。)
「・・『“時の欠片”に見出された、生体反応と。 核の存在』・・。」
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