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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter94 『薄雲』 94-10
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サワサワサワッ・・
(心地良い風が、開け放たれた窓から入り込み。
わずかながら、朝食を口にしたことと。 皆の笑顔を見たことで、
満たされた気持ちで。 ベッドの上に、仰向けになった夏樹の頬を、
涼しげに撫でた。)
(疲れていたためか、あれからまた数時間寝入ってしまった。)
「すぅ・・すぅ・・。」
(ソラに言われた通り、夏樹は横になっていたが、
着替えもせず、布団もかけずに。 すぐに起きだせる格好だった。)
(それでも、静かに寝息をたて。 よく眠っているようで。
菖蒲は、少しだけほっとしながら。
部屋に入り込む日差しを調節し。 枕もとに冷たい水を置いた。)
「ん・・。」
(夏樹が僅かに動き、頬が横に倒れた。)
『悪い夢でも、見てらっしゃるのでしょうか?』
(菖蒲は気にかかり、部屋を出ずに。
夏樹から少し離れて、部屋の隅の、壁の前に立ち。 控えていた。)
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ザザーンッ・・ ザザーンッ・・
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