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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter94 『薄雲』 94-9


(そう言った夏樹の顔は蒼白で。 菖蒲にとっては、千波よりも、
目の前の夏樹のことが心配でならなかった。)

***

カタッ カチャンッ・・

(いつの間にか、起きだしていた、紫苑の手が。 風にゆれる窓際の
机の上。 PC横に置かれた、小さなメモリーに触れた。)

キイッ バタンッ

「紫苑ちゃん!」

「よかったね! 夏樹さんっ、気がついて///」

「紫苑ちゃんも起きたんだね。 行こっ。」

「みんなで、朝ご飯♪ ねっ。」

(紫苑ははっとし、一瞬驚き。 すぐに笑顔になった。)

「・・うん。」

「行こう・・。」

(ミイに手を引かれ、部屋を横切りながら。 紫苑は僅かに目を細め、
太陽の注ぐ、机上の小さなメモリーが光に小さく反射するのを見た。)

サワサワサワッ・・

(白いレースのカーテンが、風を取り込み。
柔らかにゆれた。)

***



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