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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter94 『薄雲』 94-17


(駆がテーブルに肘をつきながら、疑わしそうににやにやした。)

「あ〜、あれだっ。 先入観だろ、それっ!」

「俺の髪は、地毛で・・っ、不良じゃね〜。 そこそこの、点数は取ってんだから。」

(ソラはふふんと、鼻を鳴らしたが。
ミイが側に寄り、横目で見ながら、背の高いソラを見上げた。)

「・・ぎりぎりセーフじゃない///」

(言われてソラは、ミイのほっぺたをつねった。)

「このっ。 考えてみろ。 俺らは異世界の住人だぞ。

これだけできりゃ、十分だろ。」

「もっと、大事なことがあんだからよっ。」

「///ひたいなっ! なによっ!///」

(ミイは怒って頬をふくらませたが、エプロンをかけ、ソラの側にやってきた紫苑が。
にこやかに笑いかけたので、ミイはソラをなぐることを思いとどまった。)

「くすくすっ///

ソラくん。 夕ご飯どうする?」

「あとはグリルで焼くだけだけど・・?」

(紫苑は、いつも通りにこやかで。 ソラの方を向いて、少し首をかしげた肩から。
サラサラと、明るいベージュ色の長い髪が流れた。)

「ん。 んじゃ、焼いててもらえる?」

「夏樹には、あとで、そうめんでも。 俺が用意するから・・。」



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