HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter94 『薄雲』 94-18


「うん。」

(聞いて紫苑は微笑み、うなずいたが。 ミイは、怪訝にソラを見つめた。)

「なに、ソラ。 どこか行くの?」

「ははっ。 そろそろ、夏樹起きるころかなって思って。」

(ソラの水色の瞳は笑った。)

「たぶん気になって、飯どころじゃねーだろうから。」

「起きたら少し、話してくるよ。」

「駆もな。」

(ミイは瞬いた。)

「え〜? わたしたちは?///」

「飯の準備たのむ。」

(ミイが言いかえしそうだったので、ソラはこそっと。 駆が飲みものを取りに行った
隙を見て、小声でミイに話しかけた。)

「紫苑に聞かれるだろうが。」

「・・うん。」

(ミイは、小さくうなずき。 紫苑の方を見た。)

カラカラカラッ

(紫苑は、庭に面する。 広く、大きな全面ガラス張りの窓に近づくと。
開き、少し涼しくなった庭の方へ。 1歩出た。 ふわりと夜風が、やわらかな



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ