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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter94 『薄雲』 94-20


(紫苑は、きゅっと。 口を結び。 頭上に広がる、夏の夜空を見上げた。
星が瞬き。 美しい満月が、煌々と白く浮かび上がっている。
大きく開いた瞳の上に、月明かりが眩しく。 紫苑は目を逸らし、
意を決して、クロの前で。 大きな窓ガラスを閉めた。)

カラカラカラッ ピシャンッ・・

「紫苑ちゃん、何か飲んで待ってよ。」

(ミイの声に、紫苑は振り向いた。)

「うん。」

(皆のいる、テーブルの前に近づき。 ミイに微笑んだ。)

「佐織ちゃんも、チイちゃんも来られると良かったね。」

「あ〜、佐織は剣道部の合宿だし・・。」

「小野瀬は、春人先輩ん家と旅行。」

(駆が、テーブルに肘をつきながら。 つまらなそうに冷たいジュースを飲みほした。)

「///うらやましいんだっv 駆くんっ。」

(ミイはこそっと、駆の方を見てウインクした。)

「! うらやましいわけねーだろっ。 誰が、佐織ん家と旅行に行くかよっ。」

「佐織の母ちゃん、あいつに似て。 めちゃくちゃ怖えんだからよっ!」

(ミイは、くすくす笑った。)

「///誰も、佐織ちゃんと駆くんなんて言ってないのに〜v」

「じゃあ、2人でなら、行きたかったんだ?v///」



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