HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter94 『薄雲』 94-23


「そんなところもあるんだ。 ほっとした。」

(ここでも、夏樹に関して。 ソラと駆の意見は一致したようだった。)

「くすくすっ。 ほとんど授業に出られてね〜んだから。」

「しかたねーよ。」

(ソラは言いながら。 ミイの方をちらっと見た。)

「あいつ起きたら、からかってやろ。」

「1つくらい、俺が勝つこともなくちゃな。」

(紫苑は微笑んだが、ミイは聞いてカチンと顔をしかめ。
ソラにいっぱつお見舞いした。)

バシッ

「///痛・・;」

「くすくすくすっ///」

(ちょうどその時、2階の階段から、足音が聞こえた。)

トントントンッ

(室内に居ても、僅かに緊張感の漂う。 黒の燕尾服姿。)

(黒縁眼鏡の奥の、涼しげな黒い瞳が。 リビングの開け放たれた入口に立ち、
皆は、菖蒲に振り向いた。)

「夏樹様が、お目覚めになりました。」

「皆様をお呼びです。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ