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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter94 『薄雲』 94-24


(ソラは頷き、水色の輝く瞳が、微笑んだ。)

「おう。 行こう。」

キイッ ガタタッ・・

(ソラと駆が席を立ち。 2階へ向かう、長身の後ろ姿を、
ミイと、紫苑は見送った。)

「ピュアちゃん、どうしたかな?」

「さっきね、夜空が綺麗だからって。 お庭に出たの。

呼んで来るね。」

(そう言うと、ミイは、1階の表玄関に向かい。 パタパタとスリッパの音を
響かせた。)

「・・・。」

(紫苑は、2階への階段を見つめたあと。
静かにリビングに引き返した。)

***

「綺麗なお星様ですね〜・・。」

(ピュアは、ほう・・とため息まじりに。 庭先に腰かけ。
夜空を見上げていた。)

「エアリエルは・・無事でしょうか?」

(美しい夜空は、エアリエルで見上げる空を思い出させた。
けれどそこは。 まるで違う、別世界だ。)

(少しだけ、懐かしく。 寂しい気持ちを抱えながら。 ピュアはそっと、



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