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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter95 『強く』 95-15


「・・? 紫苑。」

「どうした?」

「全校集会始まるってのに。 ぜんぜん帰って来ねーから。」

「呼びに行けって、佐織が・・。」

(美術室に迎えに来てくれたのは、クラスメイトの涼だった。)

「・・/// 涼くん・・。 うん。 すぐ行くね。」

「お、おい・・っ。」

「紫苑・・?」

(紫苑は慌てて、えんぴつと。 キャンバスを拾い上げ。
涼に見えないように隠しながら。 背を向け鞄に仕舞った。)

「・・。」

(何でもない風をよそおったが。 涼は、うつむいた紫苑が、
そっと。 頬に落ちる涙をふいた事を。 見逃さなかった。)

「・・紫苑。 待てよ。」

「あいつと何かあったのか?」

(涼が、鞄を持ち、部室を出ようとする紫苑の腕をつかみ。
引き止めた。)

「え?///」

「雨宮だよ。 あいつもまだ来てない。」

「まー、居ねーのはいつものことだけどよ。」



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