HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter95 『強く』 95-17
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「ふ〜うっ。 暑〜いっ。」
「かったるいわね〜。 もうっ、部活部活・・っ。」
(佐織は、開け放たれた窓際の席の前に。 手すりにもたれかかりながら、
ぱたぱたと、汗ばむ自身をあおいだ。)
「早朝稽古してきたの?」
(チイは、空席の。 二つ並んだ席の前から、後ろを振り返り。
佐織の、長いストレートの髪が。 朝日に光り、あおぐ手元に揺れるのを見て笑った。)
「そ。 おまけに、家の道場にも、父を訪ねて。
内稽古の人たちが来てるから。 その相手もしてきたのよっ。」
「いつみんなと遊べばいいってのよ。」
(紫苑と夏樹が来るか、窓の外に視線を向けたチイが。 気づき、声を上げた。)
「あ・・。 あれ、たんぽぽちゃんと数馬くんね。」
「ん?」
(佐織が、気だるそうに。 背中を傾け、ベランダの下。 階下を見た。)
「あ、ほんとだ。 仲良いね、二人。 プール道具持ってるみたい?」
「そういえば、今日は小学生プールの日だって、春人さん言ってたわ。」
「先生を手伝って。 監視員するって。」
「へぇ。」
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