HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter95 『強く』 95-34
バタバタバタッ!
(ソラとミイは、脇目もふらず。 立ち並ぶ生徒の間を、後方の扉に向かって
駆け抜けた。)
「ごめんちょっと・・通して・・!」
「天野くんっ!」
「・・!」
(夏樹は、ソラの姿を追いかけようと振り向いた。
途端に、その腕を。 春人が思い切りつかみ、引き戻した。)
「放してくれっ!」
「・・挑発に乗るな。」
「・・思うつぼだ・・。」
「!」
「大人しくしていろ。」
(深い紺色の瞳が、強くにらんだが。 それでも春人は、腕を放さなかった。)
***
キイッ ガチャンッ
(大きな体育館の扉を開くと。 照りつける真夏の太陽に、
ソラは一瞬めまいを覚えた。)
キランッ・・
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』