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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter95 『強く』 95-44


「あ〜、あれだ。 お前・・っ、アオの両親を襲ったドラゴンだなっ?」

「まさかっ、こんな遠い異世界で。 お前に会うとは・・。」

「上等じゃねーかっ!///」

「あっはっはっ! ・・!」

「マジこんなのっ・・。 こっちの世界じゃ、映画でしかっ

観たことねーだろうが。」

ドンッ・・ バキッ・・ ミシッミシッ・・

「エアリエルでも相手したことねーけどよっ。」

グッ・・ ググッ・・ ビタンッ

「“魔法剣”の訓練には・・良い相手じゃねーか?」

(巨大な青いドラゴンは。 胴体が太く。 テカテカと光る、艶やかな鱗を
ギラつかせながら。 プールの水をほとんど弾き飛ばし。 大木のように太く、
鋭い爪のついた足で、慣れないコンクリートの足元にバランスを崩し。
かぎ爪でプールサイドをばりばりと砕き。 重い、鎌首をもたげた。)

「ブフッ・・!」

(ソラの、はるか頭上から見下ろす。 緑色の瞳が、ぐるぐると回転し。
照準を、ソラに合わせたのを感じた。)

「ゴワァァァァーッ!」

(生臭い、鼻息がかかったと思った途端。 雨のような、唾液とともに。
ソラの視界を。 巨大なドラゴンの口が、覆い隠した。)



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