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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter95 『強く』 95-51


ガシャーンッ

「! あいつっ・・!」

「冗談じゃねぇ・・!」

(窓ガラスが割れる音がし。 ソラは顔色を無くした。
暑い日差しが照りつけ。 ソラの頬に汗が流れる。)

(間違いなく、ここは。 現実の世界だ。 見上げるソラの視線の先に、
2階校舎の窓が、割れているのが見える。)

「あの、バカっ!」

「なんであいつはっ・・!」

「てめーの身を守る余力、残しておかねーんだよっ!」

「無事・・っ、帰ってくるまでがっ。」

「戦いだろうが・・っ!」

「あのっ。 馬鹿・・!」

(ソラは、苦い思いで校庭を全力で走った。)

「はぁ・・っ。 はぁっ。」

(土埃であちこち汚れ。 ソラの白いシャツは、泥にまみれていた。
だが、スニーカーの足が踏みしめる地面も。 目の前を通り過ぎる体育館や、プールも。
どこも、壊れていない。)

(なにごとも無かったかのように、穏やかな。 夏の表情を見せていた。)

「何・・? 何かあったの?」



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