HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter95 『強く』 95-56
(ソラの問いに。 気配の主は、答えなかった。)
(ただそこに、確かに誰かがいる。 ソラと夏樹はそう感じていた。)
【くっくっくっ。】
【・・お前の敵は・・俺か・・? それがお前の正義か・・? 王子よ。】
【気づかないのか・・?】
【ルイ・・。】
【・・お前の存在が・・。 どれだけ人を苦しめるか・・。】
(廊下に足音が響いた。 ざわつく生徒たちが、廊下に集まりはじめた。)
バタバタバタッ
「!/// きゃぁぁっ、先生っ。」
「雨宮くんがっ・・!」
「きゃぁぁっ。」
(女生徒は悲鳴をあげ。 壊され、散乱する机や椅子。
粉々になった、ガラス片に。 身をすくめ。 血を流す夏樹の、
深い紺色の瞳の視線を。 みなが避け、遠巻きに見た。)
「・・っ、夏樹くん・・っ!」
(紫苑は、人垣をかきわけ。 夏樹のそばに走り寄った。)
「待てよっ。 紫苑。」
(涼が、その腕をつかみ取り。 引き止めた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』