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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter95 『強く』 95-57


「雨宮・・!」

「何してたんだよ。」

(涼の怒りは、頂点に達していた。
腕をつかまれ、振り向いた紫苑の目には。 涙が浮かんでいた。)

「ちょ・・! やめなさいよ。 涼。」

「手当をするわ。 危ないから、みんな廊下から離れて。」

(佐織が止め、静乃が制止しようとしたが。 涼は振り切り。
紫苑を、後ろに追いやると。 夏樹の前に躍り出て、胸ぐらをつかんだ。)

「言えねーのかっ!?」

「涼・・!」

(佐織は叫び。 ソラは、夏樹の胸元を締め上げる涼の腕を、つかんだ。)

「・・・。」

「やめろ。」

(だが、夏樹は抵抗せず。 されるがままに任せていた。)

「あいつは・・、お前のことばかりだっ。」

(ソラは、はっとして。 離れて立つ紫苑を見た。)

「お前が来てから・・、あいつは。」

「この街は、なんかおかしいんだよっ!」

「わかんねーのか?」



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