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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter95 『強く』 95-9
「はぁ・・っ、はぁ・・っ。」
(怒りに震え、少年は肩で息をした。)
「ニュー・・」
コォォォーッ・・
(小さな黒猫は。 いつの間にか、少年の手を離れ。
微かな光をまとったと思うと。 途端に、少女の姿へと変身した。)
「くすくすくすっ。 フェルゼン。」
「そんな言葉遣いじゃ。 ダ・メ。」
「わたしたちは、今。 風見ヶ丘小学校の可愛い生徒さんなのよ。」
「わたしは理恵。 あなたは善。」
「うふふっ♪ クロエじゃなくて、理恵ちゃんって呼んで。」
「あの可愛いたんぽぽちゃんみたいに・・。」
(小さな少女に姿を変えたクロエは。 ツインテールの長い黒髪を揺らし。
紺色の、プリーツワンピースの裾を、可愛らしくひるがえした。)
「・・。 ずいぶんと、お気に入りの様ですね。」
「あ〜ら。 善だって。 紫苑っていう子がお気に入りじゃないの。」
「可愛いから?」
(善は、冷やかな目を、街全体が見渡せる。 風見ヶ丘の上、ガードレールの向こうに
広がる。 風見市の景色に向けた。)
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