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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-2


「これは、由々しき事態・・。」

「あの子供が、かつて起こした・・惨事を思い起こせば。」

「あの子供が行く先々で、闇化が起こることも。」

「納得のいくこと・・。」

(もう一人の大臣も、しきりにうなずいた。)

(豪華絢爛なシャンデリアが照らし出す、広いホール。 全面ガラス張りの都内屈指の
高層ビル、特別なレストランの窓から見える、眩い夜景も。
見事な料理の数々も。 目に入る大臣はいなかった。)

「ああ・・。 引き寄せられていたに違いない。」

「まさか、その力を利用するために、聖は。 国との交渉に応じて、

あの子供を引き取ったのか?」

「あの子供を手にしていれば、“時の欠片”をすべて手中に収めるも同然ではないかっ?」

(傍らの大臣は、おぞましそうに、目線を逸らしながら。 画像を見た。)

「これは・・っ。」

「この、“核”と呼ばれる、“時の欠片”の中心部が。」

「かつて奇跡と呼ばれた。 少女、“リュウジュ”の最後の一欠片。」

「・・あの美しい少女の・・。 “心臓”だというのか・・?」

(大臣の、震える指先には、特別な技術で生命科学研究所の彩が撮影することに成功した、
体内の画像が映し出されていた。)

「美しかろう?」



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