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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-24


「誰かを、愛しても。 良いのよ。」

(千波の笑顔に、聖は。 本気で笑った。)

「あっはっはっ!」

「随分と、大人びたことを言うね。」

(だが、それは、千波の求める笑顔ではなかった。
黄金色の瞳は、まるで。 千波の思いに挑む様に、窓から射し込む月光を受けて、
眩く、星屑を集め流したように、ギラギラと光っていた。)

「子供が、口を出すんじゃない。」

(千波は、苛立ち、カッとなった。)

「何よっ。 分からず屋っ!」

『本当は・・っ、甘えたかったくせに・・っ。』

『乱暴で、加減も知らないで・・。 想いが強すぎて、

言葉にして伝える方法も・・、知らないの。』

「・・! どっちが子供なのよっ。 あれほど、ご飯を食べなさいって

言ったでしょうっ!」

「ちゃんと、お布団に寝なさいって。 言ったでしょうっ!」

「心配させないでっ。」

「・・。 夏樹は、ここへは戻らないわ。 わかっているでしょう?」

「聖。 ちゃんと前を見て。」



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