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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-25


「みんなもあなたのことを、心配しているわ。」

「過去なんかに囚われていたらっ!」

「余計なことを考えていたらっ。」

「“闇”には、立ち向かえないわよ・・。」

「夏樹を失ってから、気づきたいの・・っ!?」

(千波は、一息に言い放つと。 部屋を横切り、
聖を残し。 ドアに向かった。)

キイッ

「お夜食を作ってくるから・・。」

「出来たら、声をかけるわ。」

(答えの無い、部屋に振り返らず。 千波はドアを閉めた。)

パタンッ・・

***

「はぁ・・っ。」

(廊下に出て、千波は。 天井の、くすぶりながらも灯る。
オレンジ色のランプの炎を見上げた。)

「はぁっ。 ・・、ドキドキした・・。」

(千波は、目を閉じ。 間近に感じた、聖のことを思い返していた。)

『この人を、笑顔にしたいって、思ったの。』



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