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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter96 『求めるもの』 96-40
(桜は、微笑みながら、誠司の隣に立ち。 夏樹に笑顔を向けた。)
「ふふっ。 この人ったら、夏樹くんが心配で。 研究所まで、迎えに行ったのよ。」
「え・・。」
「・・、閉鎖されていて。 連れて帰ることは出来なかったけれど・・。」
「無事に帰ってくれて、良かった。」
(桜の言葉に。
誠司は、真剣な瞳で。 穏やかな、焦げ茶色の瞳で、真正面から夏樹を見た。)
「夏樹君。 僕らは家族なんだからね。」
「そして、君が今抱えていることは。」
「とても、子供が一人で抱えるべき問題じゃない。」
(誠司は、桜の顔を見て、再び夏樹を見た。)
「この家には、僕も。 桜さんも居る。 もちろん、紫苑や蒲公英もね。」
「君の側には、菖蒲君も居てくれるし。」
「一人で考えては、いけないよ。」
(誠司は、夏樹に届く様にと願い。 念を押した。)
「一人で居ると、思ってはいけないよ。」
(誠司の言葉に、夏樹は何と言っていいのかわからず。 微かに目を伏せ、
頷いた。)
「・・、・・はい。」
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