HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter96 『求めるもの』 96-43
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トクンッ・・
トクンッ・・
(夏樹の胸の中で、輝く欠片が鼓動していた。)
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「悲しみを、繰り返さないで。」
(青葉は、自分を通し、深い闇を見つめる。 父の瞳の奥を。 見つめ続けた。)
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ザッ・・! ザババババーッ・・!
バシャッ・・ ビシャシャッ・・
(黒い飛沫を上げ、広い。 水面を波立たせ。 裸の身体が、黒い水を蓄えた、
プールの様なガラスの水辺から、床の上へ上がった。)
(男性の、引き締まった肩から黒い水滴が流れ。 その左の首元に、黒く、幾何学模様が
光っている。)
ピシャッ ピシャッ
(裸足の足は、黒い水跡を残し。 乱れる青い髪から、雫をガラスの床の上へ落とす。)
「・・・ふぅ・・。」
(冷やかに漏れる息に。 青い髪の下、濡れる赤い瞳は。 水を宿した様に、怪しく揺れ。
そばに置いてあった、深紫色のマントを手に取ると。
ガラスの床が、汚れるのも気にせず。 雫に濡れる身体の上から、マントを肩に掛けた。)
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