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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-48


「家族だからって。」

「一緒に考えようって。 一人で考えるなって、

言ってくれた・・。」

(夏樹は、まだ、顔を覆っていた。)

「はは・・っ。 どうして、皆。 そうなんだ。」

「僕のことなど、気にしなければ良いのに。」

(顔を上げた夏樹は。 困った表情を浮かべ、微笑んだ。)

「ここから。 この街から、離れられなくなるよ。」

「おまけに。」

「お前も、皆も。 僕から離れていかない。」

「大事な人ばかり。 僕の周りに残ってしまうんだ。」

(夏樹の言葉に、菖蒲は瞬いた。)

「くすっ。 それのどこが。 いけませんか。」

「良いことでは。 ありませんか。」

「夏樹様、本当にあなたを思っている人は。 そう簡単に、離れて行きませんよ。」

「夏樹様が、FOTをされているから。 能力を持っているから。」

「そばにいるのではありません。」

「夏樹様だから、一緒にいたいんです。」



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