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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-49


(そう言いながら菖蒲は。 夏樹に微笑んだ。)

「聖様に、話せるといいですね。」

(心からそう願う菖蒲を。 突き放すことが出来ずに。
蒼白な肌に、わずかに赤味を差し、夏樹は頷いた。)

「・・うん。」

***

ピポンッ ピポーンッ

(軽やかなドア音がし、桜ヶ丘の下に立つ。 住宅街の、コンビニが、
夜の中、明るく辺りを照らしていた。)

トッ

「お。 居た居た。」

「佐織。」

(眩しいコンビニの店内に入り。 ジャージ姿の駆は、片隅の。 書籍コーナーで、
雑誌に見入っている佐織に声をかけた。)

「なんだよ。 明日集合じゃねーのか?」

「俺は、良いけど。 チイと会長は、明日来んだろ。」

(駆は、嬉しそうに身を乗り出し。 がたいの良い両腕を、棚に乗せ、書籍の向こうから。
背の高い身体を屈め。 佐織の手もとを見た。)

「何見てんの?」

「ん〜。 ぱっとしないな〜。 紫苑は水族館って言ってたけど。 雨宮くん。」



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