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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-60


「行くよ。 紫苑。 上がらせて。」

「待ってよう。」

(しばし放心したままの紫苑に、佐織は声をかけ。 2階への階段へ、歩き始めた。)

「・・うん。」

(見送った紫苑は、不安な思いでいっぱいだった。)

***

ゴォォーッ

「《闇の力を秘めし鍵》《解き放て》・・!」

「《次元の翼》・・!」

カッ・・! バサッ・・!

(大きな赤い羽根が、5人の背中から羽ばたき。 ソラの唱えた呪文は、
皆を目的の場所まで、連れて行った。)

「ん・・。」

ドクンッ・・

(異空間通路に入ったとたん。 胸の奥が、不思議に鼓動し。 夏樹は、息を飲んだ。)

チリン・・ッ

(重い気配が、夏樹の元へ流れてくる。
それは闇の気配か。 夏樹を追い求める、敵のものか。
それとも。 その空間通路を創り出している。 聖自身のものに思えた。)



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