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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-66


(唐突な問いに、窓辺に立ち。 外を眺めていた紫苑は、驚き振り向いた。)

「え?///」

(紫苑は、まだ夏樹のことが気になり。 窓の外の、本部がある方角を見つめ、
レースのカーテンをにぎっていた。)

「伝えなさいよ。 ・・雨宮くんって、そういうとこ。

鈍感そうだから。」

「言わないと、わからないわよ。」

「それに、機会を逃すと。 わたしと駆みたいに。 居るのがあたり前になっちゃって。

肝心な一言が、言えなくなるの。」

(佐織は、かすかに頬を染め。 キャンディーの包みを開いた。)

「紫苑は、女の子らしくて、可愛くて。 ちっちゃくていいな〜。」

「チイとか、ミイちゃんみたいなら、素直に甘えられるのに。 わたし柄じゃないから。」

「(ぱくっ)/// 出かける間に、伝えなさいよっ。」

(キャンディーを舐めながら、紫苑から視線を外し。 再び雑誌のページをめくった。)

「・・。 佐織ちゃん・・・。」

(紫苑は、窓辺から佐織のそばに寄ると。 ふわりとやわらかなスカートを揺らし。
そばに座った。)

「・・。 夏樹くん、今一生懸命だから。」

「邪魔はしたくないの・・。」



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