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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-67


パタンッ

(佐織は雑誌を閉じると、紫苑を叱るように、強い瞳で見た。)

「言わなくちゃ、紫苑。 どこかへ行かないように、留めておかなくちゃ。」

「雨宮くんって、自分に執着ないでしょう? 紫苑が伝えなきゃ。 わからないのよ。」

「どんなに人から想われてるか、わからないの。」

「好きなんでしょう?」

(佐織の言葉に、紫苑は息を飲んだ。)

「・・!/// ・・・っ。」

「・・、・・。」

「・・うん。」

(ピンクに染まる紫苑の頬には、小さな涙が流れていた。)

「///。 やだっ、そんなに好きなの・・?///」

(佐織は、紫苑が愛しくて、思わず。 笑顔になって頭をなでた。)

「・・うん///」

「・・好きなんだ?」

「・・っ、うん///」

(紫苑が小さく肩をゆらすのを、佐織はそっと。 そばで見守った。)

***



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