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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-68


ピコンッ ピコンッ・・

(病室内には、医療機器の音が、静かに響いていた。)

(いくつものコードが、捕えているようにさえ見える。 それでも青葉は、
穏やかな笑顔を浮かべて、眠っていた。)

コトンッ

「ピヨッ」

(耳元で、聞こえた。 小さな鳴き声に、青葉は目を覚ました。)

「ん・・。」

「・・っ/// まぁ、かわいい。」

「青い、小鳥?」

(瞬く青葉の顔の前で、小さなひよこは、ぷるぷると。 顔を振って、羽毛を整えた。)

「ピヨッ」

「ひよこちゃんかしら?」

(ぴよは青葉の枕もとに、そっと、腰を下ろした。)

「[青葉ちゃん? 聞こえるかな。 録音メッセージを残してみるね。]」

『・・っ、紫苑ちゃんの声?』

「[これはぴよちゃんっていうの。 夏樹くんがくれたの。]」

「[きっと、役に立つから。 困ったことがあったら声をかけてね。]」



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