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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-74


【それだけでは、彼は。 あなたの願いに、屈してしまうわ・・。】

『なつきっv』

【だから、彼に。 大切なものを与えた・・。 執着するもの。】

(聖は、遠い親族に引き取られ。 離れ離れになっていた千波を探し出し。
夏樹とともに育てた。)

『夏っちゃ〜ん。』

『夏樹さん。』

『夏樹・・。』

『夏樹様・・っ。』

【そして・・。】

カチャンッ・・ キイィッ

***

(聖は、特別なバラの庭へと続く。 アンティーク扉の鍵を開き。 その中へ、
一歩踏み出した。)

トッ

(夜が明け始めている。 朝靄の、白い光の中へ。
足を踏み入れた聖は、言葉を失った。)

「・・・っ。」

『どうして・・ここへ。』

「・・、ずいぶん意地悪だな。 粒樹。」



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