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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter96 『求めるもの』 96-78
欠片を使う。」
(夏樹の視線は、真っ直ぐに聖を見つめ。 迷いが無かった。)
「けど、FOTを辞めるつもりはないよ。」
(聖は、ため息混じりに、肩をゆらし笑った。)
「くっくっ。 うちのVIPは、我がままだね。」
(そして、夏樹は。 一番言いたかったことを口にした。)
「それから、聖。」
「元気で。 身体を大事にしてくれ。」
(思いもよらない夏樹の。 自分をいたわる言葉に。
聖の心は、揺らいだ。)
コォォォーッ シュンッ・・
(夏樹は、笑顔を残し。 赤い羽根をまとうと、聖の前から姿を消した。)
「・・まったく・・。」
「嬉しいことを、言ってくれる・・。」
(煌々と照り始めた、夏の朝日を見上げ。 聖は、眩しそうに、黄金色の瞳を
煌めかせた。)
「ああ。」
「・・、急に。 腹が減ったな。」
***
コォォォーッ
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