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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter96 『求めるもの』 96-81


「あとで、迎えに来るから。」

「都合の良いとき、知らせて。」

(千波は、茶色い瞳で瞬いた。)

「え? ほんとに♪」

「ん。 俺の魔法でなら、FOTに知られずここまで来れるって。

分かったからな。」

「待ってるよ。」

「うん♪///」

(千波は、嬉しそうに笑った。)

「《解き放て》・・!」

「《次元の翼》」

バッ・・! バサバサッ

ゴォォォーッ!

バッ・・

(赤い翼は皆を包み込み、あっという間に。 その場から、空間を切り離した。)

「良かったですね。 夏樹様。」

(空間通路が、屋敷の前から遠ざかる。 玄関先で、手を振る千波を。
朝日に光る、白亜の洋館を。 風が揺らす、取り囲む木々たちを。
深い紺色の瞳が。 眩しく見た。)



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