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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter96 『求めるもの』 96-9
(橘が、付け加えた一言に。 聖はニッと微笑んだ。)
「くすくすくすっ。 そうだな。」
(変わらず、眩い程の、笑顔を。 聖は見せた。)
(だが、橘は。 千波の名を出せば、思いとどまるのではないかと。
期待をよせる。 自らの想いを、読み取り。 聖が笑ったのだとわかった。)
「橘。 お前は良い執事だ。」
「だが。 僕の願いを、叶えることは、出来ないな。」
(輝く金色の瞳は、夜空の下で、きらきらと微笑んでいた。)
「夏っちゃんなら、出来るだろう。」
「だから、僕は。 夏っちゃんと暮らして来たんだよ。」
(金色の瞳の眩さに。 橘は、聖を見つめることが出来なかった。
橘は、聖の言葉を恐れた。 言わないでくれと、心の中で念じていた。)
「“欠片”を見つけるため? 闇化させるため?」
「そうじゃない。」
「粒樹とよく似た、夏っちゃんと・・。 あの海で出会ったとき。」
「僕は、決めたんだ。」
「僕の願いを、終わらせるのは、彼だよ。
橘。」
「それなのに。 こんなに早く、彼の限界が近づくとは・・。」
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