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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-100


「・・はぁっ。 はぁっ。」

(ほっとした夏樹は。 力を抜くと、肩で静かに息をした。)

「・・嬉しかった。」

「ありがとう、ソラ。」

「ははっ。 ちょっと、張り切りすぎたかな?」

「ん・・。 はぁっ。 はぁっ。 ・・、胸が痛い。」

(そう言いながら、夏樹は。 苦笑し。 少し、その場で、身をかがめた。
白い片手が、胸元をつかんだ。 首筋に、汗が流れる。)

(それでも、深い紺色の瞳は。 きらきらと、嬉しそうに微笑んでいた。)

チリッ・・

『夏樹・・。』

(ソラは、水色の瞳を揺らし、目を細めた。)

***

(暑い太陽が沈み、夕暮れが辺りを包んでいた。 まだ、歓声と熱気を残す館内に、
楽しげな親子連れや、家路につく人々が。 ゲートに向かって歩き出す。)

「ママ〜っ、イルカさん、かわいかったね〜っ♪」

「そうね。 また来たい?」

「うんっ♪///」

(小さな女の子は、母の手を引き。 幸せそうに、スキップした。)



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