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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-105


「ぷっ。 ペンギン広場にいたら。 ちっちゃい子に、ペンギンって、

指さされてたんだって。」

(ソラの言葉に、ミイは笑った。)

「うふふっ///」

(春人は、大水槽の横の細い通路へ。 紫苑と菖蒲が向かった先、
異空間への入口に、近づいた。)

トッ トッ・・

(青い明かりの向こうに、ほのかな、クリーム色の扉が見える。)

「菖蒲。」

(菖蒲は、現実の水族館からわずかに出た、空間通路の入口で。
遠く、そのクリーム色の扉を見つめて立っていた。)

「春人様。」

「紫苑は?」

(黒縁眼鏡の奥の瞳が、春人を見て、少し驚き。 問いかけに、
視線を先へ。 クリーム色の扉を見た。)

「あちらに。 中に、夏樹様がいらっしゃいますので。」

(視線を追うと、ゆらめく、明かりの中に。 閉ざされた扉の前に。
紫苑が立っているのが見えた。)

「あいつが、“闇”が抜けるまで帰れないなら。 お前は、んなとこに、

立ってんじゃねー。」

(菖蒲は、春人を見上げ。 瞬いた。)



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